加齢と共に高まる男性不妊症の可能性
今やテレビドラマにもなるほど注目されている不妊治療ですが、一般的には女性(妻)が病院に行くことほとんどなので、少し古い考えの人達には女性側に問題があると思われがちです(何も知らない私の親もその一人でした)。
しかしながら、不妊治療を目的に病院に来る患者さんのうち、男性不妊と女性不妊、またはその両方の割合というのはそれほど変わらないと先生はおっしゃっていました。
東京都内にあるかなり有名な先生で、数々の有名人の不妊治療を成功させた実績のあるクリニックです。妻が大昔に勤めていた会社の傍にあり、婦人病でかかったことがあったので、そこに決めました。
自宅からの所要時間は約1時間です。
物凄い人気なのと立地も重なり、毎回何時間も待たされてしまうのは少しネックでしたが、経験と見地がとても魅力的なお医者さんでした。
男性不妊症の原因として医学的見地からよく言われるのは、量、濃度、運動率、奇形などが挙げられるようです。男性もまた、年齢が30歳を過ぎることで精子の繁殖能力が減退していくと言われています。
そこで、不妊治療を経て、たまたま子どもを享受した素人の私なりの実体験を基にした見地を述べたいと思います。
その前に旦那さんに二つの質問を。
セックスやオナニーで適度に精子を放出していますか?
奥さんや会社、その他、人に気を遣いすぎていませんか?
何が原因か分からないけど、数値が示す状況証拠!?
男性の皆さん、どうしても子どもが欲しいと強く願う女性の勢いやテンションに、自分のテンションが追い付いていないということはあるのではないでしょうか。
私の場合は、奥さんが一人で婦人科に行き、ザーメンチェックの容器を持って帰ってきました。密閉できる蓋のついたプラスチックの容器を渡されて、6時間以内に病院に持っていかなくちゃいけないから、仕事行く前にお願いね。と言われるまま、早朝リビングでひとり狭い的に向けて射精をしました。正直、少し恥ずかしい自慰で始まる平日の朝でした。
数日後に夫婦そろって出た検査結果を聞きに行くと、数値がかなり良くない、もう少しで無精子症ですと言われました。もう一度検査をするが、このままではタイミングで妊娠することは難しいとハッキリ言われ、体外受精も視野に入れましょうと宣告されました。
でも私の稼ぎはそこまで良くないので、すんなり最初から体外に踏み切るには金銭的な状況が許しません。
もうひとつ、われわれ夫婦の共通認識として、体外を行って第一子を授かるのはというはどこか、何かが違うような気がしていました。簡単に言うと自然の摂理に背くような感じがしてあまり気乗りしませんでした。
それと同時に私にはホントに?という気持ちも強くありました。若かりし頃、現在の妻ではない他の女性と付き合っていて、妊娠をさせてしまったことがあったからです。ただ若すぎて両家の反対があったために、堕胎という選択をさせてしまいました。そのことは妻にも話していたので、年上女房としては自分に問題があると思っていたようです。
でも実際のところ、妻の卵やその他の機能の数値的な異常はなく、一般的な方法を取ってタイミング療法を行くことで治療方針を決定しました。
この時、男の私は38歳、妻40歳でした。初産の女性的にはリミットはすぐそこです。
やれることをとにかくやってみる
色々なプレッシャーがある中、子どもが大好きなのに受け身的な考えの私としては、妻の提案を全て飲んで、亜鉛の入ったマカのサプリを毎日飲むことにしました。
恥ずかしながら自分に非があると分かった後でも、積極的に何かを調べて挑戦したり、習慣的に身体を動かしたりすることはしませんでした。
ここが男女の温度差なのだ今は思います。真剣さが足りないのは、子どもが出来た時の幸せを現実的に想像する力が乏しいからだと考えます。
父親の母性とは、子どもと共に過ごした時間で生まれてくるとある本に記されていました。すなわち、この時点では皆無です。
あとひとつ気になることは、鬱病を患った時に飲んでいた薬の副作用として精力減退が考えられるモノがありました(パキシルが有名)。そういえば、加齢でオナニーをしなくなっていたと勝手に思い込んでいたのですが、その副作用が原因でそれが日常化していたかもしれないと思い返しました。
そもそも自慰行為は自宅ではあまりしないので、仕事帰りなどでビデオボックスなどを利用して以前よりも精子を出す回数を増やしました。射精することで、精巣の活動は活発になり元気な精子が生成されるとのことでしたので、これはできるだけ進んで行いました。それでも、気分や体力が若い頃のようには追いつきません。
そして、一番大きい要因だと考えているのは喫煙の習慣を断ったことです。これは精子の検査をする少し前のことですが、メンソールのたばこを2日で一箱のペースで吸っていました。それをキッパリと止めたことが大きかった思います。なぜならその後のザーメンチェックで精子の値が普通の人レベルまで戻っていたからです。
最後に、自分の考え方の問題もあると思います。人の考えの先回りをして、こうしたら喜ぶかな?こうしたら嫌がらないかな?などを考えすぎてしまい、自分というものがありませんでした。
つまり、知らず知らずのうちに自分のしたい事とは異なることを、相手の為と偽って我慢しながらすることにストレスを感じていたようです。こうしたいという自分の気持ちを優先することで、他人に流されないように、言い訳をしないように心がけました。ただ、こればかりはずっと生きてきた癖みたいなものでそう簡単には治せません。
そして数値で表すこともできないので、真偽のほどは確かではありませんので、あくまでも個人的な意見としてです。
ハッピーエンドで神様に感謝
さて、煙草や深酒を止めて規則正しい生活を送り、ストレスを溜めない生活に加えて、サプリなどで栄養を補う生活を続けた結果、精子は普通の人レベルまで戻りました。
でも、毎月の検査や投薬で、今度は妻の身体ほうがしんどくなってしまいました。実際のところ、些細なことがきっかけで頻繁に喧嘩になったりするので、私としても我慢の限界に差し掛かっていました。
そこで我々のとった結論は、少し不妊治療を休もうということでした。リミットは近いのですが、それはそれで受け入れるしかないだろうと腹をくくりました。
ただ、基礎体温を測りながら、投薬無しのタイミング療法だけは続けました。すると、奇跡的に妻の妊娠が判りました。
治療をやめてから3ヵ月後、よく話に聞く、不妊治療を止めたら出来たという一例に私たちもなりました。
約15年間、避妊をすることは1度もなく、回数は多いほうではない夫婦生活でした。意識的に不妊治療を始めて約半年、その後3ヵ月、ようやく待望の子宝に恵まれました。
この時、私は39歳、妻は41歳でした。
そして、待望の第一子は男の子で、4,000グラムを超す超健康体で生まれてくれました。アラフォーの二人にとって、初めての育児でこの大きさは本当堪えます。
それでも出来た喜び、途中の苦労の一部だけでも、今情報を必要としている夫婦の方々に届くことを願い締めくくりとさせていただきます。