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食事・運動・体質改善、そして笑顔で妊活できること

不安だらけの妊活。情報が多くて混乱する毎日

9歳上の私の姉は、結婚後すぐに流産を経験した後、8年の不妊、子宮外妊娠を乗り越え、35歳の時に数回の体外受精の末に第一子を出産しました。はじめての甥っ子の可愛らしさに私もいたく感動し、同時に不妊に対し「私も体質が似ているのでは…」と結婚する前から不安に感じていました。

その後私も結婚し、はじめは雑誌やネットで情報収集したり、排卵日予測アプリで自己流でタイミングをとりながら自然に任せていました。しかし夫の残業も多く平日にタイミングをとることが難しく半年、1年、とあっという間に過ぎていきました。

受診、そして転院して通院続けるも疑問が残る

何もしないでいるよりは、治療が必要な体質なのかだけでも知りたいと思い、近所の産婦人科へ。私と主人も含めてひと通りの検査には異常なさそうで、「頑張りましょうね」と言われたものの、その病院は、治療にあたって時間の制限が多く、自分の仕事と時間が合わずなかなか進みませんでした。

また、医師が気難しそうな人で、基礎体温表が見にくい、と舌打ちされたり嫌な思いをすることが多く、こんな気持ちでは良くないと思い、転院することに。

次に行ったのは不妊治療でとても有名で、カフェやエステ、託児所も併設されたホテルのような外観のゴージャスな病院。一般不妊治療から体外受精、顕微受精、受精卵・精子凍結保存などの高度生殖補助医療にも力を入れていて、院長先生はその地区ではじめて体外受精・胚移植による妊娠に成功したという実力者で、期待できると感じました。

不妊治療に関する勉強会も定期的に開催されていたので、少しでも勉強したくて参加しました。初診では、年齢的にすぐに治療に踏み切っても良いし(この時結婚2年目、夫婦ともに31歳)、タイミング療法で様子をみても良いと言われました。

焦る気持ちはありましたが、まだ治療についての知識も浅く、踏み切る勇気もなかったのでタイミング療法と服薬で様子を見ることに。

処方された薬はクロミッド。排卵誘発剤です。排卵はあったので、なぜ飲まなければならないの?と少し不信に感じながらも、服薬を続けました。しかし薬が合わなかったようで、身体のだるさを感じ、仕事に支障が出るようになり、どうするかとても悩みました。

毎月通院し、2~3周期服薬を続けたころ、よく見る妊活雑誌で「諦めたとたん自然妊娠した」という記事をたくさんみかけました。治療が必要な体質なのかを調べるためにも通院は大切だけど、「治療さえしてればいつかできる、先生に任せればできる」というスタンスよりも、自分のストレスや毎日の疲れ、悩みや心配事などに向き合い、体質を改善する努力や、治療をやめてみる勇気を持つことも大切ではと感じ、それに、妊娠は本当に神秘的な出来事で、科学的に証明できないことがきっとたくさん絡み合った結果の奇跡のような出来事なのだ、と感じるように。

ちなみに基礎体温は1年近くつけていましたが、正常な周期よりだいぶ排卵が遅いことも、病院を変えてからわかったことでした(前の病院では、排卵が早い、と言われていたのでタイミング療法は全部はずれていた)。

Uターン転居の決定と、治療中断の決意

ちょうどその頃、夫が転職したい気持ちを吐露するようになりました。地元が同じ夫といつかは故郷に帰りたいとずっと思っていた私は、「チャンス!」と思い、転職にはもちろん同意、そして故郷で仕事を探すことに。

その時に、「地元に戻れるんだ!」と思うと緊張の糸がほどけたような感覚で、親に協力をもらいながら楽しく子育てをするイメージが広がったのをよく覚えています。同時に、私はこの土地ではどうしても子どもを育てることが不安で、具体的に子育てをイメージすることができていなかったんだな、と後で感じました。

そんなタイミングが重なった一昨年の夏頃、「一旦治療をやめよう。今年いっぱいは、自分で排卵検査薬を使いながら、体質改善にお金や労力を費やそう。それでもだめならもう1度治療を始めよう」と決断しました。始めるのも、やめるのもとても悩むし勇気がいる、それが不妊治療ですね。

そこからは徹底的に睡眠や食事に気を付け、子宮にいいと聞いたベリーダンスを始めたり、自分の身体を徹底的に見直すことに。民間療法も試そうと思い、漢方外来も受診しました。

不妊に効くという有名なタンポポ茶の開発を手がけている中国人の先生は、私の顔を見るなり「疲れてるね。唇の色を見たらわかる。」脈を取り「脈が弱いね。あと血液が少ない。もう少し元気が出れば赤ちゃんできるから大丈夫」と言いました。そんな、何の根拠が!と不思議に感じましたが、親身な先生だったので、この先生についていってみよう、と思いました。

出された漢方薬は2つ。日々身体の調子が良くなっているのも感じました。疲れにくくなったせいか、何より排卵日の度にタイミングをとることが苦痛に感じなくなりました(率直にいうと、性欲が復活した感じ)。薬代も保険が使え、1か月分で自己負担4000円くらいだったので続けやすかったです。

もう1つは、骨盤のゆがみ等も診てもらいたい、と思い、雑誌で見かけた整体(正式には整体ではなく、身相といって左右を対象に整える民間療法)が、とても妊娠率が高いとのことで、高速を使えば30分で通える距離だったので、半信半疑ながらもそちらに通い始めました。

施術は20分程度で至ってシンプル。痛くもないし特に気持ちいいわけでもない、正直効果があるのか不安でしたが、ある程度続けてみなくては、と思い回数券を購入。こちらの先生も自信満々で、不妊で悩む人が数多くここの施術で妊娠したと豪語していました。

自分には効果があるかないかはわからないけど、そこまで言うなら疑いながら受けるよりも、心底信じてやったほうが効果もあるかな?そんな気持ちでした。それに実際妊娠された方とよく一緒になることも多かったので、妊婦さんの「良い気」みたいなものをもらって帰りたいな、とも思いました。

不妊治療は、誰にでも気軽に話せる話題ではありません。私は社交的で明るい方ですが、妊娠しないと悲観し、友人のおめでたも喜んであげられない、両実家からの孫の期待がストレス、そんな自分が嫌になる、と負のループから抜け出せない期間が長くありました。でも、「いつまではこれでやってみて、だめなら次を考えたらいい」「焦る気持ちも全部自分の気持ちとして受け止める。できる努力は変わらず続ける」と自分なりに方針や計画をたてることでやるべきことが明確になり、とても楽になりました。

そして、いつか産まれてきてくれる赤ちゃんが今の私を見ていたら、「このママがいいな」と思えるような素敵な女性でいたいな、と思うと、自然に明るく過ごせるようになりました。

治療をやめてほんの2ヶ月ほど経った9月の頭、ちょうどもうすぐ結婚3年目を迎えようとしていました。「冬が苦手だから、暖かいうちに妊娠したいな」と感じていた私は、なんとなく良い予感が。

でも、毎月期待する度に生理がきて、何も手につかないくらいガックリきてしまう生活を何年も送っていた私は、「どうせまただめだろうな」と、妊娠検査薬にいつも通り尿をかけて、呑気に歯磨きしていました。

5分後トイレに戻ってみると「・・・・!!!!!」結果は待ちに待った陽性。今すぐ隣の部屋にいる夫に伝えたいのに歯磨きで口がブクブク・・・号泣とともに「ごぁ!ぎーぶぃーぎがぶご!!!!ごふっ・・!(妊娠してるよ!!!)」と溢れる涙と口からの泡を抑えられなかったことをよく覚えています(笑)

不妊、出産を経験して思うこと

妊娠は、「これをすれば必ずできる!」というものははっきり言ってないと思いますし、生涯妊娠できない体質の方も、何パーセントかいるのも現実です。ただ、私個人は「もう安心して育てられるからいつでもきていいよ!いつも笑顔で待ってるからね」と、赤ちゃんのために大きな気持ちを持てたことが一番大きかったかな、と思っています。だって自分が赤ちゃんだったら、「私にはどうせ子育て向いてないんだ。どうせ妊娠できない」なんて悲観して毎日泣いてばかりのお母さんのところには、きっと不安で飛び込んでいけませんから。

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