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2018/07/28 30代その他

妊活中に考えさせられた出来事

子どもが欲しいと思うようになった頃

最初の子どもを出産してから次の子を授かるまでに、長いブランクがあった私。そんな私の妊活経験の中から、いろいろ考えさせられた出来事をいくつかご紹介します。

私たち夫婦は、結婚してから比較的早くに最初の子どもを授かることができました。お互いに地元から遠く離れた場所で暮らしており、友人や家族が近くにいないながらも保育士として働いていた経験と知識から、なんとか楽しく育児をすることができました。

子どもが2歳になった頃、家族そろって主人の地元へと引っ越すことになりました。それをキッカケに私も働くことにし、子どもは初めて保育園へ通うことになりました。

子どもの通う保育園には、すでにお腹の大きいお母さんも数人いました。子育てするなら体力的にも経済的にも2歳差で次の子を…と考える方も多く、私もそろそろ次の子が欲しいなと感じるようになっていきました。

忙しく働くということ

保育士として私が勤め出した職場は「院内保育園」といって、医師や看護師、技師のほか、経理や事務といった病院内で働く方々の子ども達を預かる保育園です。病院は診療時間が終わったら帰れるわけではなく、入院患者や救急外来に対応するため24時間・365日稼働していました。

病院で働く医療従事者の中でも、乳幼児のいる保護者は時短勤務や夜勤一部免除が適応されています。保育園では通常勤務のほか、早朝出勤や土曜出勤、医療研修などで忙しくしている保護者にも対応しており、病児・病後児保育やアレルギー食にも対応していたので多くの保護者にとっては安心して働き、子育てができる環境だったと思います。

そのため、世の中は少子化といえども2人目、3人目と妊娠される保護者も多くいて、私もますます2人目が欲しくなっていきました。

しかし、一方で、夜勤の免除が出来ないほど人手の足りない部署で働いている場合、預けられる子どもは24時間以上も保育園で過ごすこともありました。

そして、子ども達を預かる保育士もおんぶにだっこ、乳母車に7~9人乗せてお散歩に出たり、テーブルや布団の上げ下ろしに乳児の沐浴と、かなりの体力仕事です。しかも、日中は子ども達相手の保育に時間を要するため、保育指導案などの書類や保育に使う道具の準備、製作の作成は持ち帰って用意するのが常でした。

そのため、病院で働くお母さん方も一緒に働いている保育士でも、一生懸命働くあまり、せっかく赤ちゃんを授かってもそれに気づかず、無理をして体調を崩してしまったり、赤ちゃんがお空へ帰ってしまう方もいて、今後の働き方についても考えさせられました。

これまでは、妊娠中や出産した後は当分働けなくなるので、妊活中にできるだけ働いて貯金をしておいた方が良いのではないかと考えていましたが、妊活中こそいつ赤ちゃんが来ても良いように、健康的な生活を送り、自分の体の状態を把握しておかなければいけないなと思うようになりました。

それからは自分の体の状態を把握し、いつ妊娠しても気づくことができるように基礎体温をつけ始めるようにして体調管理に努めました。

大学時代からの友人の不妊治療について

久々に地元に帰る機会がありました。地元の友人が出産したと連絡を受けつつも、なかなか会いに行けなかったので、この機会に大学時代からの仲良しグループで集まることになりました。

仲良しのメンバーは私を含め6人。私だけが県外に住んでおり、残りのメンバーは県内にいながらもそれぞれ離れた場所で暮らしています。みんな結婚していますが、子どもがいるのは出産を終えたばかりの友人を含めて5人。いつしか話題はそれぞれの子どもの話になっていきました。

出産を終えたばかりの友人は結婚して3年が経っていました。

「実は…ずっと不妊治療を受けていて、4回目の体外受精で授かることができたんだ。でも、妊娠中も何があるかわからないから、結果的に出産してからの報告になってゴメンね。」

まさかの告白にみんな驚きました。でも、結果的に元気な赤ちゃんを授かれたことをみんなで祝福しました。

すると、子どものいない友人も話し始めました。「実は自分も不妊治療受けてるんだ」その子は結婚して5年が過ぎていました。

その子の場合は、夫婦で検査に行っても不妊の原因がわからず、姑からは顔を合わせるたびに初孫を催促されているのがプレッシャーになっているとのこと。

すでに何度も体外受精を試みており、最近では心拍音も確認して母子手帳をもらったのにも関わらず、次回の検診時には心拍音が聞こえなくなっていたという辛い出来事を経験したばかりでした。それでも気丈に振舞い、これからも不妊治療をしていくという彼女に、何とも言葉では表せない気持ちになってしまいました。

その日、その子はお酒も飲まず、刺身などの生ものも食べず、温かい飲み物と火を通した料理だけを口にしていました。

結婚してからずっと、子どもを授かることを期待され続け、原因不明の不妊に悩み、金額も決して安くはない体外受精を繰り返してやっと授かった命。しかし、喜びもつかの間、楽しみにしていた検診で心拍音が聞こえないという辛い現実。その後の処置。悲しみに浸る暇もなく妊活を続けていかなければ、少ないチャンスさえ逃してしまう「年齢」という見えない壁。

友人がそんな数年間を過ごしてきたのかと考えると、胸が痛みました。仲良しの友人6人中2人が不妊に悩んでいた事実を知り、不妊ということは珍しいことではなく、身近なところで悩んでいる人は実は結構多いのではないかと考えるようになりました。

そして自分自身の妊活

2人目を考えるようになって、働き方や不妊という出来事について考える機会を得られたことはとても意義のあることだったと考えています。

忙しく働くあまり、気づかないうちに自分自身に溜まっていく疲れやストレスが体にも影響を与えてしまうこと、原因も解決方法もわからず不妊に悩まされる可能性があるということ、体外受精を行っても妊娠できるとは限らないこと、妊娠してもそれが必ず出産に結びつくわけではないということ…。

頭ではわかっていたことも、改めて考えると妊娠するということや無事に出産することが奇跡だといわれることが理解できるようになりました。この経験から、自分自身の妊活では無理のない働き方と体調管理、不妊に対する心構えを意識するようになりました。

2人目が欲しいと考えるようになってから実際に赤ちゃんを授かるまでに数年が掛かりましたが、その間にこれらの経験を通して感じたことや思ったことを旦那とともに共有し、お互いの意見をぶつけ合いながらも妊活を続けることができたことで、より夫婦としての絆が深まったように感じます。

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