葉酸摂取で妊活スタート
「”葉酸”を摂っていれば身体に良いらしい」との情報だけで、私は「葉酸摂取妊活」をスタートしました。葉酸がどんな食品に含まれているのか?葉酸は母体や胎児にどんな効果をもたらすのか?といった知識が、その頃の私には全くありませんでした。
私は、34歳という”高齢出産ギリギリ”で健康な赤ちゃんに恵まれています。今になって「葉酸を意識して摂っていて良かった」と感じているのは、葉酸について調べていく内に「なるほどな。そういえばそうだった。」と納得できる部分が多くあるからです。
友達から譲り受け
きっかけは、サプリやクスリの嫌いな友達でした。彼女は、私よりもおよそ1年早く妊娠しています。通院していた産婦人科の先生からすすめられたのが”葉酸サプリ”でした。
「産婦人科の先生がすすめるサプリだから良い物に違いないと思って買ったけど、サプリとかクスリが苦手だから、少し飲んじゃったけどあげるよ」と譲ってくれたのが、私と葉酸との出会いでした。
友達と違ってサプリやクスリに抵抗は無かった私ですが、産婦人科の先生もすすめているということで更に信頼感が増したので摂取してみることにしました。
葉酸について調べてみた
話は現在に戻ります。「葉酸摂取妊活」を経て出産を経験。早10年経っています。
葉酸サプリを気に入って、毎日ではありませんが現在でも摂取しています。私なりに、1つの栄養素だけを摂るよりも、他の栄養素とのバランスも大切なのではないかと考えています。そのことから「葉酸サプリ(または特に摂りたい栄養素)+マルチビタミン・ミネラル」の足し算をして摂取するようにしています。この機会に、改めて葉酸について少し調べてみました。
葉酸を含む食品として「いちご・枝豆・鶏の肝・レバー」などがあります。このほかにも私の知らない食品が、まだまだ多くあると思います。葉酸は”造血作用”や”胎児の先天異常の予防”に役立つということを知ることができました。
当時は、愛読していた「たまごクラブ」という雑誌にも”葉酸”について掲載があったかなかったか記憶が定かではありませんが、何かを読んでサプリだけでなく食事からでも葉酸を摂りたいと思っていました。
栄養バランスどころじゃない!
”葉酸”というフレーズから”葉っぱ”を連想して「とにかく緑黄色野菜を食べればなんとかなる」と勘違いしていたのは、当時の私です。レバーなど、緑色じゃなくても葉酸を含む食品はあったのですね。
緑黄色野菜にも葉酸は含まれていることを今になって知りましたが「間違えてはいなかった。ラッキーだった」と思っています。
友達から貰った葉酸サプリを飲み始めてから、しばらくして妊娠しました。産婦人科の先生に告げられた出産予定日は、高齢出産と認定される月のひと月前でした。ひと月前だから、絶対大丈夫だとは私は思えませんでした。妊娠に伴う病気のリスクや、お腹の子どもへの影響をかなり心配しました。
私の年齢を危惧した昔気質の義母からの「変な子は産むものじゃないよね」といったデリカシーのない言葉に、かなり傷つき動揺したのを覚えています。
妊娠発覚後の1~2週間で、つわりが始まりました。軽度なのか重度なのかわかりませんが、1日こたつに寝転んで家事もままならない状況に。葉酸サプリはなんとか水で流し込みましたが、栄養バランスどころか「おしゃぶり昆布」と水しか口にできない状態で、体重はどんどん減っていきました。
少しずつ食べられるようになってからは、緑黄色野菜だけは食べるように努力していました。食事の用意ができなくて、スーパーやコンビニのお弁当で済ませるような日もなるべく緑黄色野菜のとれそうなメニューを選んで、それだけは食べていました。私がお腹の子どもにできることは、これだけしかないといった風に緑黄色野菜にだけは、こだわっていました。
出産後の涙
臨月を迎え、いよいよ出産となりました。定期的に少しキリキリと下腹が痛む感覚だったので陣痛かと思い、夜間でしたが入院の準備をして主人と共に産婦人科に行きました。助産師さんは、私の様子を見て「陣痛はもっと痛いんだよ。一応、先生に来て貰うけど出産はまだだと思うから帰ってね」と言いました。
先生に診察して貰うと、即出産&入院が決まるほど状態は差し迫っていました。助産師さんも疑っていたほどでしたし、私自身も陣痛は「こんなものか」と思う程度だったので軽かった方なのだと思います。それに比べて、出産時の痛みはかなりありましたが、先生は「超がつくほどの安産だったね」とおっしゃいました。
一睡もしないまま夜が明けました。病院が”ご褒美”に用意してくれた少し豪華な朝食をいただいたときに、いつもの癖で”緑黄色野菜”を探しました。食べながら、涙が溢れました。
「そっか、もうこんなに意識して食べなくても良くなったんだ」
ありがたいことに子どもは順調に成長してくれています。心配していた高齢出産ギリギリも、今思えば取り越し苦労だったのかもしれません。病院の検査でも、一度も貧血状態に陥ることもなく、カルシウム不足の経験もありませんでした。
私個人の感想ですが、陣痛も軽めで、子どもが元気に生まれてきてくれたことの要因には、サプリと食事から意識して摂っていた”葉酸”も含まれていると信じています。
現在では、栄養のバランスを計算された質の良い葉酸サプリが多くあることを嬉しく感じています。葉酸が、母子ともに対して大きな役割を果たすと身を以て実感しているからです。
出産を終えて呆然としている私に、助産師さんは生まれた直後の子どもの頭を私の頬にくっつけてくれました。
このとき頬で感じた”新生児の体温の熱さ”と、朝食でいただいた”ほうれん草のお浸し”の味は、この先も忘れることはないと思います。