私は不妊治療を始めたとき、周囲の人にそのことを打ち明けるか悩んだ時がありました。
私の両親には家族なので病院に通い始める前に相談をしましたが、仲の良い友人には軽く話せる悩みでもなかったので最初の方は黙っていました。
しかし友人と遊ぶときに「赤ちゃんできた?」と聞かれることが凄く嫌だと感じていたときがありました。もちろん悪気がないことは分かっているんです。
ただ現実的に私は妊娠したくても中々できない、そして友人に「まだだよ」ということで微妙な空気になってしまうということが嫌だったのです。
そんな風に感じ始めたときにだんだん友人と会うのに乗り気ではないことがありました。
特に久しぶりに何人かで集まろうというときは、「妊娠できたか聞かれるのかな」と一人で勝手に思ってしまい、遊びに行くまでが憂鬱だと思うようになってしまっていたのです。
打ち明けようと決めたとき
友人と会うのが憂鬱に感じ始めてしまっていたとき、ふと考えたときがありました。
「仲がいい友人だからこそ本当は会いたい、そして私の今の状況を知ってほしい」と心の奥では思っているんだと気付いた瞬間があったのです。
私の仲の良い友人は独身だったので、理解してもらえるか、悩みを打ち明けることで友人に気を重くさせるのではないかなど色々迷いました。
でもこのまま疎遠にはなりたくはないという思いと、会ったときに楽しく過ごしたいという思いからついに打ち明ける決心をしたのです。
そしてご飯に行ったとき、私は不妊治療の病院に通っていることを打ち明けました。
最初は友人が戸惑っているのが分かりました。やっぱり言わなければ良かったかなと思いました。
しかし、その後友人は「今はゆっくり旦那さんと二人で過ごすのもいいと思うよ」と言ってくれました。
そしていつもと変わらず楽しく話して、いっぱい笑って過ごすことができました。そのときやっぱり打ち明けてよかったなと感じました。そうすることでその友人の前ではいつも通り楽しく過ごせるんだと実感できたからです。
不妊治療のことを知ってもらう
それから私は周囲の仲の良い人、信頼している人には不妊治療のことを打ち明けるようにしました。最初は自分が傷つきたくないという思いから打ち明けていました。
でも最近では「不妊治療のことをもっと知ってほしい」という思いから打ち明けています。私の家族、そして夫の家族にも皆に打ち明けました。
不妊治療をしていることへの理解をしてもらいたくて話してみると、皆が応援してくれました。
そして家族以外の人へ打ち明けてからも、「妊活にいいみたいだから」と体にいいものをプレゼントしてくれたり、私が妊活がうまくいかず大泣きしたときも励ましてくれたりするのです。
打ち明けたことにより、私自身すごく恵まれているんだなと気付くことができました。
妊活は思うようにはいかないけれど、こんなにたくさんの人が応援してくれて自分のことのように不妊治療を理解しようとしてくれているのは凄く幸せなことなんだと感じたのです。
それと同時に私自身もそうでしたが、不妊治療はあまり認知されていないなと感じました。
「不妊治療」というワードは知っていても、中身まで知っている人は少ないのではないかと思うのです。だからこそ経験している人や、経験した人がもっと伝えた方がいいんではないかと思います。
妊娠は本当に奇跡ということ、皆が必ずしも自然にできるのではないということ。そして何より不妊治療をしている人は簡単に言葉で言い表せないほど辛いんだということ。私はそれを少しでも伝えたいという思いから、周囲の人に打ち明けています。
打ち明けることで前向きに
不妊治療をしているということを打ち明けるのはとても勇気がいると思います。しかし、打ち明けることにより理解をしてもらえたり、色々な意見を聞けたりもする場合があります。
私は一人で悩んでいるとネガティブになってしまうので、周囲の人の意見に耳を傾け、「そんな考え方があるんだな」と前向きに考えられることが多いのです。
自分には気付くことのできなかった、違った視線から物事を見ることができるのは妊活でもとても重要だと思います。
そして実は不妊治療をしていたという人も多いので、経験談を聞くことができる場合もあるのです。
不妊治療をしていた人の経験談は私自身すごく勉強になり、勇気づけられることが多いです。
また自分の気持ちを理解してもらえることが多いので、「私だけではなかったんだ」と思えることもあるのです。
なので、打ち明けようか迷っている方がいるのならば私は誰か1人でもいいから打ち明けてほしいと思います。一人で悩まずに辛いときは辛いといえる環境をつくって、できるだけストレスを溜めないようにしてほしいと思うのです。
不妊治療は夫婦で乗り越えるものだと思いますが、ときには家族や友人を頼って前向きに考えられるようにするのも一つの手段だと思います。