「妊活」と聞くと、家族を迎える為の幸せな言葉に聞こえる方もいるかと思います。
しかし、実際に「妊活」をし、なかなか授からない夫婦からすると、とても苦しく、終わりのないトンネルの中にいるような、決して「幸せ」ばかりではない現実がそこにあります。
今、苦しんでいる妊活中の夫婦の方に少しでも参考になれば、と今回約2年間妊活した私の体験談を書かせて頂きます。
妊活当時の夫婦の様子
私、主人共に23歳。
私は、生理周期に乱れもほぼなく、また、健康には気を使っており、特に身体に不調なし。主人は、運動大好きで、身体に不安な点はなし。
そして、夫婦の趣味は、「散歩」。毎晩、夕飯を食べた後には近所を散歩していました。
とにかく私たち夫婦は、健康で、「子どもが欲しい」と思えばすぐに出来ると思い込んでいました。その為、結婚してから約半年は、夫婦の時間を楽しもう!と決め、子どもは作らないと決めていました。
半年後、弟夫婦に子どもが出来たのをきっかけに私たち夫婦も「妊活」を始める事になりました。そして、「夫婦の時間を楽しもう!」と妊活しなかった日々を後悔する事になるのです。
周りの夫婦と違う!?
当時、弟夫婦をはじめ、私たち周りの夫婦は、「そろそろ子どもを考えている」という話からすぐに「出来たよ」と報告が来ていました。また、授かり婚の報告などもあり、数ヶ月で出来ると思っていた私たちですが、気がつけば半年が過ぎようとしていました。
その頃から、排卵期、生理前にはピリピリするようになっていきました。そして焦りを感じ、「本格的」に妊活に取り組む事になりました。
不妊治療を行っている病院に行き夫婦ともに検査をする
私:生理期間、高温期に血液検査をする
主人:精液検査をする
その結果・・・
私:黄体ホルモン(妊娠を継続するホルモン)が少なく、プロラクチンが正常よりは高い(プロラクチンが高いと常に身体が妊娠している状態に近くなってしまい身体が妊娠していると勘違いし、妊娠しづらくなってしまいます。)
男性ホルモン(妊娠を妨げるホルモン)が多い
主人:一般的な23歳に比べ精子は少なめ
しかし、いずれも妊娠出来ない程の数値ではなく総合的な結果としては「原因不明」でした。それでも何かしないと不安な私は、冷え性を改善する「当帰芍薬散」という漢方を処方してもらいました。
また、主人には、精子を増やすといわれている「亜鉛」サプリを薬局で購入し、飲んでもらいました。
基礎体温をつける
やはり妊娠するのに欠かせないのは、「基礎体温」です。基礎体温とは、朝一、口の中で体温を測り、それをグラフにするものです。
女性には、低温期と高温期が約14日ずつあり(個人差があります。)低温期から高温期に変わる頃が最も妊娠しやすい時期とされています。
身体をあたためる
病院で処方された漢方だけではなく、夏場に職場のクーラーで「身体が冷えたな」など感じた日には、帰宅後、バケツに熱いお湯を張り、足湯をしていました。
また、近くに岩盤浴(温めた天然石を加工したベッドの上に寝て身体を温めるもの)のお店もあったので、ストレス発散の意味も込めて通っていました。
排卵検査薬を使う
海外製の安い排卵検査薬(1本十数円~)をネット購入し、利用していました。尿をかけると、反応するもので、排卵日が近づくと色が濃くなります。
病院で排卵のタイミングを診てもらう
排卵のタイミングを病院で診てもらいました。内診で卵巣を見てもらい、だいたいの排卵日を予測してもらいます。
色々な方法を試しながら約2年が経とうとしていました。妊活が進むにつれて私は焦り、しかし「いつか出来るよ」というスタンスの主人。
その温度差に何度も喧嘩を繰り返しました。
排卵期になるとピリピリする私。
主人が何気なく言った「今日は疲れたな」なんて言葉すら「今日は子作りは出来ない」と言われているように感じてしまい、「子どもいらないの?」と怒鳴り、泣いた事もあります。
この頃の私は、妊活に感情の全てを支配されていました。愛を育む為の夫婦生活すら義務的な「子作りの行動」になっていました。
生理前にはちょっとした変化に期待し、妊娠検査薬をフライングで何本も使い、反応しない検査薬に苛立ち、期待した自分を責めました。
何も知らない周りからの「子どもできた?」という言葉に怯え、周りの「妊娠報告」すら素直に喜べず、私たち夫婦が妊活をはじめるきっかけになった弟夫婦にはもう二人目が出来ていました。
その報告を聞き、ダメだと思いつつ、主人の前でだけ、大きな声をあげて泣きました。
「なんで私たち夫婦のところには赤ちゃん来てくれないの?」何回も何回も聞きました。
はじめは、「子どもが出来たら~」と未来を語っていた私たち夫婦ですが、その会話すらプレッシャーになっていきました。
そしてだんだんと「子どもが出来なくても~」という会話に変化していきました。
子どもが出来なくてもずっと一緒にいよう
私たちの出した結果がこれです。一旦、「妊活」から離れてみる事にしました。
それは、「マイホーム計画」です。
こんなに大きな事でなくても、旅行や、趣味でもいいと思います。マイホーム計画中は、「マイホームがあるのに子どもがいないなんて。。。」とプレッシャーになってしまうのではないか、とすごく不安でした。
しかし、妊活を続けながらもマイホーム計画を平行して続け、もうすぐマイホームが完成するという頃、「家具は何にしよう?」など、本当に久しぶりに「妊活」以外の事を考えるようになっていきました。
それと同時期に、風疹の予防接種を受ける事にしました。(妊娠中に風疹にかかると高確率で障害のある子どもが生まれます。)
風疹の予防接種を受けると、二ヶ月間避妊をしなければいけない為、嫌でも妊活から離れなければなりません。
そして、この「妊活から距離を置く」行動が吉と出たのです。二ヶ月の避妊期間中は何にも支配されず、本当に穏やかな日々でした。
ずっと我慢してきたお酒を飲んだり、「妊娠しているかも」と先の計画を立てられなかった日々にもさよならし、とにかく楽しみました。
そして、妊娠が判明しました。
妊活休止期間だったので、病院にも通わず、基礎体温もつけず、排卵検査薬も使用していなかったので、本当に驚きました。
しかし、この妊娠は、すぐに流産という結果になってしまったのです。
でも、不妊期間が長かった私は、「妊娠できる身体だったんだ」と自信がつき、また、「妊活というストレスがなければ妊娠できた」という事実があった為、なるべく趣味やマイホームに気持ちを向け生活する事にしました。
そして、3ヵ月後、再び妊娠、10ヶ月後に無事に出産に至りました。
ストレスは大敵
私が妊活中に一番言われて腹が立った言葉が「考えすぎだよ」とか「ストレス溜めすぎだよ」とか「あきらめた頃にやってくる」という言葉たちでした。
「それが出来たら苦労しない」ずっと思っていました。
しかし、今思えばその通りだったのです。
色んな事を試してきたのに、結局何もしなかった時に二度も妊娠したのです。だけど、私も長期間の妊活経験者なので、本当に妊活中の方の気持ちは分かります。
簡単に距離を置く事が出来ない事も分かります。
ただ、私が妊娠、出産を経て、今感じる事は、「夫婦の時間が欲しい」です。
子どもはかわいいです。
でも一日だけでいいから妊活していたあの頃、夫婦で過ごしていたあの頃に戻りたいです。
子どもが出来ると良くも悪くも夫婦の関係は変わってしまうものだと思います。
今妊活をしている皆様には「夫婦の時間」を本当に大切にして欲しいと思います。夫婦二人だからこそ出来る事、たくさん見つけて楽しんで欲しいです。
本当にかけがえのない時間だと思います。
そんな時間を大切にしつつ、その中で、もしも少しでも「妊活」が頭から離れて少しでもストレスが軽減してくれたら嬉しいです。
そして、妊活を頑張る全ての夫婦の元にかわいい赤ちゃんが来てくれる事、心の底から願っています。