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2018/07/14 40代体外受精

私が妊娠するまで

私が不妊治療を始めたのは38歳でした。結婚してすぐに、3年前に発覚した子宮筋腫の定期検診に行ったとき、産婦人科の先生にアドバイスを受けました。年齢も38歳と妊娠するには、高齢になるため、赤ちゃんが欲しいのならば、すぐにでも、高度医療の治療を受けたほうがいいと、言われたのです。

家に帰り、主人に話をすると、最初はあまり乗り気ではありませんでした。それは当然です。主人は私より3歳年下ですし、子どもは、いつかできるだろうと考えていたからです。

「そんなに焦らなくも大丈夫でしょ」というのが、彼の本音でした。

しかし、私の年齢は38歳。またあと数か月で39歳になってしまう。私が不妊症かどうかわからないけれど、子どもを持つのは少しでも早いほうがいいに決まっている。そういう私の気持ちを主人は理解をしてくれ、産婦人科の先生から紹介を受けた、不妊治療センターへ通院することに決めたのです。

まさか自分が不妊治療センターに通うとは、夢にも思っていませんでした。不妊治療=お金がかかるというイメージしかありませんでした。でも、治療を受ければすぐに妊娠できるだろうと、高を括っていました。

最初の難関は、予約を取るための電話でした。その病院では、月の第一土曜日に、新規の予約をすることが出来るのですが、その電話がなかなかつながらない・・・主人の携帯と私の携帯を2台もちで、20分かけて、やっとつながったのです。

その時分かりました。「私以外にも、多くの人が、不妊治療センターに通おうとしている」ことを。そして、初めてその病院を訪れると、あまりの人の多さにびっくりしました。

平日の午前中だというのに、待合室のソファーが一杯になるほど、人がいるのです。

不妊治療を始めて、すぐに高度医療の治療に入ることができると思っていましたが、血液検査や不妊検査やらで、治療らしい治療が出来ずに、とうとう39歳の誕生日をむかえてしまったのです。

タイミング法で数回試しても、妊娠をしないと、私はすぐに人工授精することを決意しました。そしてそこで、主人の精子にも問題があることが分かったのです。これをきっかけに、主人も体外受精へのステップアップすることを、受け入れてくれました。

主人も、泌尿器科に通い、薬を服用しながら、体外受精(顕微授精)に臨みました。

体外受精(顕微授精)を行う際、女性は必ず採卵をしなければいけません。排卵誘発剤を使用し、卵胞に多くの卵子を育て、その卵子ら排卵する前に、採卵をしなければいけません。排卵誘発剤は、内服薬の場合もありますし、注射の場合もあります。私の場合は、注射が主でした。その注射は、健康保険が使えないため、かなりの高額になりましたが、仕方ありません。

妊娠するためなら、どんなことでも頑張る。と心に誓ったはずなのに、採卵の時だけは、

始めて「どうしてこんな思いをしないといけないの」と心が折れそうになりました。

生まれて始めて経験する痛みでした。でも、その痛みに耐えなければ、採卵できないのです。採卵できなければ、妊娠が出来ないのです。いつか出会える赤ちゃんを夢みて、不快な痛みに耐えました。

その不快な痛みの採卵を妊娠するまで5回経験しました。排卵誘発剤を使用して、複数の卵子を育てているため、採卵では複数の卵子を取り出すことが出来ます。しかし、その卵子が必ずしも、主人の精子と合わせた時に受精するかどうかは、また別の話になるのです。

最初の体外受精では、卵子と精子が受精せずに、移植が出来ませんでした。2回目、3回目は複数の受精卵を作ることできたのですが、着床までには至りませんでした。不妊治療の辛いところは、治療を受けたからと言って、必ずしも妊娠するとは限らないということです。

1回の体外受精の費用は、病院によって様々ですが40万円ほどします。助成金をもらっても、半分以上は自費になります。高額の治療費を払っても、必ずしも妊娠できるわけではないのです。高額の費用を払ったのだから、必ず効果(=妊娠)を期待するのですが、妊娠判定がもらえないと、崖から突き落とされた気持ちになるのです。

1度の体外受精で妊娠する人もいれば、10回行ってもできない人もいます。それゆえに、不妊治療は出口の見えない治療だと言われています。

4回目の採卵の際、排卵のタイミングが合わなかったため、良質な卵子を採卵することができませんでした。本来、2段階移植の予定だったのですが、1個の受精卵しか作ることが出来なかったため、凍結するだけで、移植を見送ることになりました。その時、「私は本当に妊娠することが出来るのか」と不安になり、気がついたら、養子縁組のHPを見ていました。

半ばあきらめかけていた時、主人が「お金のことは心配しなくていいから、私が納得するまで治療を続けたらいい」と言ってくれ、心が決まりました。ぐずぐず泣いている暇はない。私はもう40歳になってしまった。5回目のチャレンジをスタートしようと決めたのです。

5回目の体外受精では、いつも通りに、毎日のホルモン注射を打ち、採卵の痛みに耐え、4回目に行うはずだった、2段階移植にチャレンジしました。2段階移植とは、2つの受精卵を時間差で移植するものです。

2つの受精卵を移植するため、多胎児になるリスクはありましたが、構いませんでした。

最初の受精卵を移植したことで、2個目の受精卵が子宮内で着床しやすい状態になるなら、

多胎児のリスクだって、構わない。そう考えていました。

移植して2日目のことです。体に変化が起きました。家族と温泉に行ったのですが、足や

腕に蕁麻疹が出ていたのです。以前から通っていた温泉ですから、温泉成分が合わないことはありません。不妊治療あるあるなのですが、受精卵を移植すると、「移植後〇日目、妊娠初期症状」などと、検索していまいます。もちろん、私もその一人でした。

蕁麻疹と妊娠初期症状と検索しても、特に出てきません。よく見かけるキーワードとして、

「脚の付け根が痛くなる」その時は、痛みを全く感じませんでしたが、移植してから6日目ごろに、脚の付け根の痛みを感じました。もしやと思いましたが、自分がただ敏感になっているだけで、妊娠症状とは違うと自分に言い聞かせていました。しかし、やはり今までの移植後と何か違うのです。

移植して10日目の着床判定の日。いつものように主人と結果を聞きに行きました。血液検査をして1時間ほど待たなくてはいけないのですが、この1時間が非常に長かったのを覚えています。その待ち時間の時でも、やはり脚の付け根の痛みはズキズキと感じていました。

着床判定の結果、陽性反応を頂き、更に翌週に胎嚢を確認して、とうとう不妊治療センターを卒業することが出来たのです。期間にしておよそ1年半でした。

陽性反応をいただき、思わず涙が溢れましたが、不妊治療センター内で泣いて喜ぶわけにはいきません。これが普通の産婦人科なら、エコーの写真を主人と見ながら、病室を後にするのでしょうが、これは他の患者さんにとって、とてもあまり気持ちの良い光景ではありません。喜ばしいことなのに、陽性反応をもらったときは、周りの患者さんの気持ちをくみ取らなければいけないのが、不妊治療センターに通う人の暗黙のモラルだと、私は思っています。

5回の体外受精で、やっと妊娠にたどり着けた私でしたが、歳は40歳。出産するときは41歳になります。高齢出産のため、子どもに何か障害があるのではないかと不安になりましたが、どんな子どもでもしっかりと受け止めようということで、出生前診断は行いませんでした。

幸い、何の異常もなく元気に生まれてきてくれた娘は、もう1歳半です。自然妊娠であろうが、高度医療の技術を使っての妊娠であろうが、1人の子どもを妊娠できたことは、大きな奇跡だと思います。この私が経験してきたことをいつか娘に語って聞かせたいと思います。

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