妊活を始めたのは結婚してから１年ほど経った頃
私は結婚してすぐ子どもが欲しいとは思っていませんでした。当時やっていたパティシエの仕事も楽しかったし、夫婦二人の時間をもっと楽しみたいと思っていたからです。
子どもができたらな・・・と思い始めたのは結婚してから１年ほど経った頃のことです。主人は私より９個年上ということもあり、できるだけ早く子どもが欲しいと思っていたようですが、私の気持ちを尊重してくれてそれまで待っていてくれました。
親や親戚からのプレッシャーはもちろんありました（笑）でも、私も主人も子どもを持つタイミングは夫婦二人で決めるものだと思っていたし、まわりから色々言われてもあまり気にしないタイプでした。
そして、私たちの妊活がスタートしました！２０１６年の始めのことです。
当時はまだ焦りもなく、自然にできたらいいね～と私も主人も思っていたので、とりあえず避妊していたのを辞めるぐらいのことしかしていませんでした。
私自身、妊活と言ってもガツガツやるつもりはありませんでした。なので、リセットしてもまた次頑張ろう～と思える気持ちの余裕もありました。
孫の誕生を楽しみにしていた父の急逝と、突然の病
当時、「孫はまだか～」攻撃が一番強めだったのが、私の実の父。その父が２０１６年の夏頃に病気で急逝してしまいました。
そろそろ父に良い報告ができればな～と思っていた矢先の出来事だったのでとてもショックでした。孫の誕生を一番楽しみにしていた父を喜ばせたかったのに・・・それができなかったことを後悔していました。
そのことがあって、それまで以上に子どもが欲しいと強く思うようになりました。父に見せてあげることが出来なかった孫を母には見せないと、元気な祖父母にひ孫を抱いてもらわないと、とそこから焦りが出始めたと思います。
もっと本腰を入れて妊活に取り組もうと決意を新たにしました。それからは基礎体温を毎日つけ、妊活に良いと言われる葉酸のサプリメントを飲み始めました。インターネットで情報収集をして、タイミング法も取り入れました。
そして、その年の秋頃のこと。体調がすぐれない日が続いて、食べても吐いてしまうということが数日続きました。
「もしかしてこれって！？」と期待しながら妊娠検査薬を試してみたのですが、結果は陰性・・・その後も体調はどんどん悪くなっていきます。
何も食べられなくて点滴のため病院に通う毎日。ずっと横になっていたので足腰が弱って、立ち上がるのも辛くなってきました。
そして遂には入院するまでに・・・なかなか原因が分からず、大きな病院に転院してやっと病名が分かりました。「視神経脊髄炎」という聞いたこともない難病。
それまで大きな病気もしたことのなかったので、突然のことに私も主人も戸惑いました。この病気は脊髄の病気で、手足が麻痺して動かなくなったり、視神経に支障が出ると視力が低下したり失明するおそれもあるものでした。
私は視神経の方には症状が出なかったのですが、手足の麻痺がありました。手は軽い痺れだけだったのですが、両足は自分の力では全く動かせなくなって、下半身不随の状態になりました。
後から聞いた話ですが、主人は主治医の先生に呼び出され、今後車椅子の生活になる可能性が高いと宣告されていたそうです。それほど事態は深刻でした・・・
筋肉がどんどん落ちていき、体重も一気に減ってしまったのでそれまで規則正しくきていた生理もピタッと止まりました。病気のことでいっぱいいっぱいで、妊活のことなんてすっかり頭から離れていました。
その後、薬や治療のおかげで少しずつですが足が動かせるようになっていきました。毎日リハビリも続けていました。
奇跡の回復！妊活再開へ・・・
入院は約４か月におよびました。治療の効果があって、主治医の先生もびっくりするほどのスピード回復！
一時は下半身不随の寝たきり状態になり一人で起き上がることすらできなかったのに・・・車椅子に乗れるようになり、杖で歩けるようになり、介助なく一人で歩けるようになり。
自分でも良くなっているのが実感できたので、リハビリも辛くなかったし、とても前向きに取り組めていました。ですが、心に余裕ができはじめた頃に思い出したんです。「あれっ？私って妊娠できるのかな？」って。
生理もずっと止まったままで、これから先ずっと治療のために強い薬を飲み続けなければいけないという状況。こんな病気の私が妊娠なんてできないんだろうな。諦めるしかないのかな・・・と思い悩んでいました。ですが、体調もどんどん回復していって、ほぼ病気の前のように生活できるまでになっていました！
２０１７年の春頃のことです。その時、初めて主治医の先生に子どもが欲しいけど、できるものなのか？ということを聞きました。すると先生から「大丈夫ですよ」とあっさり返事が返ってきました。
本当に気が抜けるほどあっさりしてたんです（笑）びっくりしました！妊娠できるかどうかは置いといて、諦めなくてもいいんだ！と本当に嬉しかったです。こんな感じで、妊活の再スタートが決まりました。
体調が回復して、生理も再開していました。基礎体温をつけてタイミングをはかり、葉酸もドラッグストアで売っている安物からちょっといいものに変えて（笑）、体を冷やさないようにと常温の飲み物や白湯を飲んだり、料理に体を温める生姜を使ったり・・・
大好きだったお酒も辞めました。でも、なかなか授かれず焦りばかりが募り、リセットする度に泣いていました。いつかの自分とは全くの別人ですね。リセットすることがこんなに辛いことだったなんて・・・
その度に励ましてくれていたのが主人でした。主人だって早く子どもが欲しいと思っているはずなのに、「焦らないで、また次頑張ろう」といつも優しく声を掛けてくれました。
大きな病気を乗り越えたことで、夫婦の関係はそれまで以上に強いものになっていたと思います。主人の存在には本当に感謝してもしきれません。そして遂にあの日を迎えることに・・・
私たちを選んできてくれた赤ちゃん
いつも通り過ごしていて、体調も何も変わらず。ただ生理だけが遅れていたんです。あまりにも体調が普通だったもので・・・でも生理が遅れていたので、試しにという感じで検査薬を使ってみました。
それまで何度も使ってきた検査薬ですが、初めて見るものが・・・説明書を何度も見直しました。結果は陽性！遂にこの時がやってきた！！そして、その日はなんと私の誕生日！本当に素敵なプレゼントをもらえた気分でした。
その後、私の病気の影響もなく順調に育ってくれています！２０１８年の春に出産予定です。
視神経脊髄炎という難病になったにも関わらず、病気の私が妊娠できました。今は、病気を乗り越えた私たち夫婦の強い絆に惹かれて赤ちゃんがやってきてくれたのかな、とそう感じています。
病気で人より弱い私を選んできてくれた赤ちゃんは、きっととても強い子だと信じています！今からすでに大物の予感・・・（笑）
妊活に取り組むうえで、悩みがある人はたくさんいると思います。心が折れることも何度もあるでしょう。ですが、赤ちゃんを授かれる可能性が少しでもあるのなら絶対に諦めないで欲しいです！
諦めずに頑張り続けるあなたを選んで、赤ちゃんがやってきてくれるのではないかと私は信じています。