妊活を始めたきっかけ
まず、私が妊活を始めようと思ったきっかけについてお話したいと思います。
私には既に一人の息子がおり、当時2歳でした。息子が通う保育園では、下の子を妊娠した・産まれたママさんがちらほら出てきており、そういった姿を見て、やはり自分も2人目が欲しいなあ、と感じるようになりました。
今子どもができれば、きょうだい3歳差・・ちょうどいいな、と思い2人目を望みました。
私の場合、1人目の子はすぐにできました。飲んでいたピルを辞め、初めての交渉ですぐに出来たのです。しかも当時、”基礎体温”や所謂”安全日・危険日”、”排卵日”などの知識はほとんど無く、『できたら嬉しいな』くらいの気持ちで1人目を授かることが出来ました。なので、2人目も苦労なく、すぐに出来るだろうと思っていたのでした。
しかし、なかなかできない。2人目を望むまではかなり激減していた夫婦生活を、週2に増やしてもできない・・。確かにそのときは「すぐ出来るだろう」という気持ちから、排卵日を気にせずにいました。
それにしてもできない・・。「何かあるのでは?」とも思いましたが、夫婦共に自覚するような体調不良などは無いため、すぐに産婦人科にかかることはせず、まずは自分で調べて頑張ってみようと思いました。
自力で妊活を始める
妊活についてインターネットで調べ、仕事をしながらでも自分でできることをやってみました。
基礎体温を知る
毎日起きたときに体温を測り、記録アプリに残していきます。
生理周期をきちんと把握する
恥ずかしながら、それまで自分の生理周期について何も考えたことが無く、おなかの痛みで「そろそろ来そうだな」と予測を立てるに過ぎませんでした。
手帳にきちんと始まった日と終わった日を記録するようにしました。
排卵日を調べる
とりあえず2ヶ月分の生理周期から、3ヶ月目に排卵日を予測してみました。それから、毎月排卵日と思われる日を中心に夫婦生活をするように心がけました。
排卵日チェッカーを試してみる
自分で排卵日を予測しているものの、それでもなかなかできない・・ということで、薬局で手に入る”排卵日チェッカー”を試すことに。妊娠検査薬と同じく尿をかけて手軽に測定できるもので、お値段が結構張りました。自分が排卵日だと思っている日に排卵日チェッカーを試すと、”ライン”はうっすらとしていました。
そのほか、出来るだけ規則正しい生活を心がけたりして健康的に過ごすようにしました。幼い子どもがいる中、仕事もしており、なかなか妊活のことだけに集中することは難しかったです。
1年後、クリニックへ
自力の妊活を始めて1年が経ち、一人目の息子も今年で4歳になるという年、ようやく産婦人科で検査してもらうことにしました。
1人目があれだけスムーズに出来て、今回これだけ授からないのは夫婦のどちらかに疾患があるのではないかと思い始めたからです。
また私は、当時より5年前から【子宮頸がんの疑い有り】の診断を受けていました。がんに進行してはいないため手術の段階ではないものの、異常細胞が認められていたために、半年に一度の検診を受けている状態でした。もしかしたら、それが関係しているかもしれない、と思いました。
でなければ、夫に何かあるのかもしれない、と。
1人目を出産したときにお世話になった、信頼する産婦人科へ。まず内診をしました。目視やエコーでは異常は認められず、おりもの検査をすることにしました。
初めは”タイミング法”でということで生理周期を聞かれました。
そして、「それじゃあ、次の〇〇日に性交渉して。今月はそこしかタイミングが無いからね。その日に出来なかったら、チャンスはまた次の月になるからね」と言われました。行為の次の日にまた受診するように、とのことで、その日は終わりました。
次回来院したとき、まずおりもの検査に異常は見られなかったとのこと。また、内診で夫の精子を抽出しその場で検査したところ、問題ないとのことでした。そのとき、私も顕微鏡で始めて精子を見ました。・・想像以上に活きがいいといいますか、『うわっ』と言ってしまいました。
先生によると、『今のところ夫婦共に異常があるようなところが無いので、十中八九、今回ので妊娠できてるよ』とのこと。「そんなに簡単に!?私は1年以上頑張ったのに、まさか」と思いました。
結果、たった一回のタイミング法のアドバイスで妊娠しました。1年自力で悩んだのは何だったんだろう・・と思いました。
1年間の妊活で、わたしが学んだこと
世の中には、不妊治療と同時進行で妊活に励んでいる人もたくさんいらっしゃいます。また、女性の方はいたって健康体で子どもを強く望んでいるのに、男性側に出来にくい原因があったり、子作り自体がなかなか出来る環境ではないカップルもいらっしゃることと思います。
そんな中、私は健康面での問題もなく、ただタイミングがズレていただけで1年を無駄に悩んでいた愚か者です。確かにその頃仕事が忙しく、心身ともにあまり生き生きとはしていない状態であったので、できにくくはなっていたのでしょう。
それでも1年間子どもを望んでなかなか出来ない、という生活をしてきて少しでも理解できたことがあります。それは子どもが出来ず悩んでいる人の気持ちです。
もっと言えば、既に子どもがいる状態での妊活は、周りの人があまり理解を示してくれないということ。
不妊を抱えていると、そのことを周りに相談したり愚痴をこぼしたりしたとき、手放しで同情されることが多いかもしれません。しかし1人でも子どもがいると、次の子が出来ないことで誰かに相談しても、『でも、1人いるからまだマシじゃない?』とか、『まあこの先出来なくても1人いてよかったね』というセリフが最後につけられました。
言いたいことはわかりますし、もし相談されたのが自分であっても、元気付けるためにそう言ったかもしれません。「あなたよりもっと悩んでる人がいるんだから」という、相対的な励ましをもらうのです。それが、私にとっては正直苦痛でした。
もちろん、1人も子を授かっていない方からすれば、「1人はいるんだからいいじゃない」と思われるのは当然だと思います。しかし、同じ悩みを共有したいという私の思いが、行き場をなくして余計に落ち込んでいた時期がありました。自分と同じ境遇の人が当時周りにいなかったので、『その気持ち、わかるよ』という言葉は1度もかけられることがありませんでした。
確かに辛いことというのは、もっと辛い人と比べたら”マシ”になってしまいます。「だからもう悩むな、弱音を吐くな」、というような状況が、必要以上に自分を追い込んでしまった気がします。
もしこの先私が、妊活を頑張っている人に出会ったら、その人の気持ちに少しでも寄り添うことができるのではないかと思えます。
もう1つ学んだのは、早く医師に相談すればよかった、ということです。
妊活を頑張っている方の中には、「まだクリニックにかかる段階ではない」と考えている方も多いと思うのです。
でも、体が日ごとに年を重ねていくのは事実です。また、自分ではわかり得ない原因が隠れているかもしれません。私のように計算がズレていてタイミングを逃しているだけで、すぐに解決する問題かもしれません。
私が2人目を妊娠した頃、不妊で悩んでいた女性と話していると、彼女もやはり病院には行っていませんでした。子どもはとても欲しているのに何故行かないのか聞くと、夫が協力的でないので一緒にはいけない、子どもはものすごく欲しいはずなのに、パートナーが協力的でないと、自分も諦める気持ちに引っ張られてやる気をなくてしまう、ということでした。
私のお世話になったクリニックは、男性には来てもらわずとも、精子さえ採取できればよかったので、そういったところに行くようお勧めしました。結果、ご主人の方に原因があることが判明しました。
子どもはできにくいことがわかり残念な結果ではあるのですが、絶対に出来ないわけではないことがわかったし、原因がわかって安心した、と言っていました。
いずれにせよ、クリニックに行くのが面倒だったり、検査は痛いのではないか、病気や疾患を知るのが怖い、夫が協力的でないなど、それぞれに不安をかかえているかもしれません。
しかしそういった不安も含めて相談しに行くだけでも、プロに話すことを皆さんにおすすめしたいと思います。