不妊治療と仕事の両立の大変さ
私は社会人1年目からずっと続けている今の仕事が好きで、結婚後旦那も賛成してくれていたので仕事を続けていました。
お互い子どもが好きでそろそろ赤ちゃんが欲しいねと話し合ったときも、特に仕事を辞めるつもりはなかったので仕事と妊活を両立することに決めていました。
仕事が好きで続けたかった気持ちもありましたが、仕事を辞めることによって経済的な不安もありました。
生活は旦那の給料だけでできていたのですが、これから子どものための貯金やマイホームのための貯金を少しでも多くしたくて、仕事を辞めればそれができなくなるという不安が大きかったのです。
妊活を始めて1年が経ち、なかなか妊娠する気配がなかったので不妊治療専門の病院へ行くことにしました。
一通り検査を終えましたが、特に大きな問題は見つかりませんでした。
先生には1年以上妊娠できていない状況なので不妊症ですと言われました。
特に不妊の原因になるようなものは見つかっていない以上、これといって治療法がないとも言われました。
まずはタイミング法から進めて効果が見られなかったら次へステップアップするということで、とにかく早く赤ちゃんが欲しかったので不妊治療をスタートしました。
両立は思った以上に大変…
不妊治療がスタートしてからは、不妊治療に通うために仕事を休ませてもらったり、早退させてもらったりしなければならなくなりました。
病院はいつも混んでいて、2時間待ちは当たり前です。排卵日前には連続して何日か病院に通わなければならなかったので、毎月毎月連休を取るという状況が続きました。
不妊治療を公表できなかった…
私は職場に不妊治療を公表できていなかったので、今まであまり休んだことがなかった私が頻繁に休みを取ることが職場の方々も疑問に思っていました。
ある日、上司に今の状況が続くようならパート勤務になったらどうかと言われてしまいました。
正社員にこだわっていたわけではありませんが、今まで一生懸命頑張って上り詰めた今の立場が失われるのではないか…と不安に思ってしまったのです。
不妊治療していることは、何度も言おうとしました。でも言えなかったのです。
なぜなら、言っても理解してもらえない気がしたから…
職場の方たちは皆さんとても良い方たちばかりで、言ったらきっと応援してくれたと思います。
でも、不妊治療しているからと言って特別扱いされたくなかったですし、私と同じように言っていないだけで不妊治療をしている方がいるかもしれない…と思いました。
毎月毎月妊娠しているかどうかの結果が分かる日が来るので、もしだめだった場合、応援してくれているみんなも一緒に暗くなってしまう…いつ妊娠するか分からないのに迷惑をかけたくない…そんな気持ちが大きかったのです。
結局職場には最後まで誰にも言えませんでした。
同じように妊活で悩んでいる方がいて、相談したとしても、その人が先に妊娠したら…私は絶対落ち込みます。
羨ましくも思ってしまうと思います。
だから、誰にも相談できませんでした。
休みの考慮など、みんなに協力してもらって妊娠できなかったら申し訳ない…そんな気持ちでした。
でも今思えば、全部打ち明けていたら良かったな…と思います。
私が思っていること、悩んでいること、すべて吹き飛ぶような心の温かい人たちばかりで、打ち明けていたら私自身もっと気持ちが楽になっていたな…と今なら思えます。
当時はそれができなかったので、不妊治療で思うような結果が得られなかった日も、休みを取ることも、職場には不妊治療をしているということをバレないように過ごしていました。
仕事を辞めなければ妊娠できない?
仕事と不妊治療を両立している中で、どうしても仕事を休めない日、どうしても仕事でタイミングが取れなかった日が何回かありました。
そんな日は、やっぱり仕事をしていると思うように妊活できない…と焦りが募りました。
仕事でタイミングが取れなかった日は、その周期は不妊治療で注射や薬を飲んでいた日々も全く無意味になってしまって、やるせない気持ちでいっぱいでした。
旦那も仕事が忙しく、帰りは遅い日も多いのですが、不妊治療には協力的でタイミングを取る日は早く帰宅したりしてくれていました。
旦那も私に負けないくらい、早く赤ちゃんが欲しかったんだと思います。
それなのに私の仕事でタイミングが取れなかった周期が2ヶ月続いてしまった時があったんです。
私は「仕事辞めようかな…」と旦那に相談しました。
今まで辞めたいと思ったことはないくらい今の仕事が本当に好きで、ずっと続けていきたいと思っていました。
そんな私の気持ちを1番理解してくれている旦那は、「子どもはもちろん早く欲しいけど、それだけがすべてじゃないよ。仕事辞めたからできるっていう確信もないし、○○がすごく大切にしている仕事を辞めてまで今焦って続ける必要ないよ」と言ってくれました。
子どもが欲しい気持ちはお互いすごくすごく強かったんです。
でも、それでも、仕事を辞めたくなかったんです。
ただの私のわがままでした。
でも、こんな優しい言葉をかけてくれる旦那に本当に感謝しかありませんでした。
不妊治療を休むことに…その結果!
旦那との話し合いで、とりあえず少し不妊治療を休むことに決めました。
仕事も不妊治療も中途半端で、完璧にできていない日々が続いていたので、それが私のストレスになっていました。
不妊治療をお休みしてからは、病院に通わなくていい日々が本当に快適で、ただ仕事にのめり込める日々が私にとってストレス発散になっていました。
そんな日々が半年ほど続いたある日、生理が遅れていることに気づきました。
まさか…と思い、仕事の帰りに薬局で検査薬を購入しました。
すると、判定窓には陽性のラインが…!
なにかの見間違いじゃないか、と最初は信用できなかったのですが、誰がみても分かるはっきりとした陽性でした。
妊娠することができたのです。
まさか自分が…不妊治療に通っていてもできなかったのに、自然妊娠できるなんて思ってもみませんでした。
本当に本当に嬉しくて、すぐに旦那に報告したかったのですが、そこは我慢して、旦那が帰宅してからサプライズで報告しました。
旦那も私と同じくらい喜んでくれて、さっそく赤ちゃんの名前を考えたり、男の子かな?女の子かな?とお互いウキウキしながら本当に幸せな時間を過ごしました。
安定期に入る頃には職場の方々にも報告をしました。
みんなすごく祝福してくれて、おめでとうと何回も言われ、本当に嬉しかったのを今でも覚えています。
その後、産休を取り、育児休暇を1年取って、また職場に復帰させていただきました。
みんな「おかえりー!」と言ってくれました。
こんなに居心地のいい職場は他にないと思えるくらい、本当にこの職場に出会えて良かったと心から思います。
素直に打ち明けることも大切。
今思えば、信頼できる人たちだからこそ、私が不妊治療をしていたことを言うべきだったな…と思います。
私は、心配をかけるから、迷惑をかけるからと思っていましたが、私が逆の立場になって考えてみたら、そんな大事なこと言って欲しい!言ってくれなきゃ悲しい…と思いました。
きっと、打ち明けていたら私自身もっとストレスなく不妊治療と仕事の両立ができていたと思います。
信頼できる人たちだからこそ、素直に打ち明けることも大切なんだ…と学んだ私の経験でした。