私たち夫婦は30代後半で結婚。
当時は仕事が忙しく、妊活どころではありませんでした。
でも、私の年齢的にもそろそろ…と結婚して1年後に妊活をスタートしました。
年齢的なこともあり、早く赤ちゃんを授かりたい気持ちが大きかったのですが、なかなか妊娠できない…
そして、妊活を優先するため正社員で働いていた仕事を辞めることにしました。
妊活で良いとされるものは何でも試しました。
私たち夫婦は、お互い一人っ子だったので、両親に孫を見せてあげたい気持ちが強く、焦っていました。
私も、初めはこんなに長引くと思っていなかったので焦りがどんどん強くなっていました。
私も旦那も昔から子ども好きで、どうしても自分たちの子どもが欲しかったのです。
不妊治療スタート…
妊活を始めてから1年が過ぎても妊娠はできず、旦那と相談して不妊治療専門の病院へ行くことにしました。
旦那と一緒に病院へ行き、先生に今までのことを一通りお話ししました。
そして一通りの検査をしました。
検査の結果は次回ということになりましたが、年齢的なこともあり、タイミング法を数回試しても妊娠できなかった場合はすぐにでもステップアップしたほうがいいと指導を受けました。
年齢が上がれば上がるほど、妊娠できる確率は減る…そして、妊娠できても高齢出産となり様々なリスクがあることを覚悟しなければいけないと言われました。
年齢が上がると妊娠できる確率が減るということは知っていましたが、高齢出産のリスクがそんなに高いとは正直思いませんでした。
妊娠できたとしても、子どもがダウン症などの障害の確率も若い人に比べれば高くなると説明を受けました。
様々なリスクがある中、覚悟を持って妊活に挑まなければいけないということを再確認しました。
その時は私はすでに40歳近い年齢。
夫婦でもう一度、妊活のこと、不妊治療のこと、妊娠できたときのこと、出産や育児のこと、色々なことを話し合いました。
そして、どんな大きなリスクがあっても、私たちは自分たちの子どもが欲しい。という結論が出ました。
今後のことも考え、覚悟をして妊活、不妊治療に挑もうと約束しました。
この時の話し合いが、私たち夫婦の絆をより大きくしたと思っています。
夫婦できちんと話し合ったことで、夫婦で支えあって不妊治療を頑張ることができました。
夫婦なので、いつも一緒にいて当たり前の存在ですが、それでも言わなければ分からないことってありますよね。
それを言葉にしてきちんと話し合うことで、納得した答えを出すことができました。
この日の話し合いは、これから不妊治療をスタートする私たち夫婦にとって、とても大切な日になりました。
そして次の週、病院の予約を取り、検査の結果を聞きに行きました。
結果はどれも異常なしでした。
異常なしだったことにまずは安心したものの、年齢的に時間がない私達は、どの治療法へ進めばいいのか…というところで悩みました。
普通ならタイミング法を試して様子を見る方法が一番多いと思います。
でも、1年以上妊娠していない上に年齢的にも時間があまりないので、先生から勧められたのは人工授精へステップアップでした。
不妊治療を始めたばかりの私たちにとって、急に人工授精へステップアップをすることにはとても不安が大きく悩みました。
まず、人工授精というのがどういうものなのかが分からず、戸惑いました。
でも、先生の話を聞いて、私たち夫婦は人工授精へステップアップすることにしました。
決断できたのは、とても信頼できる先生であったことが大きかったと思います。
そして、人工授精を5回…
今回妊娠できていなかったら、体外受精へステップアップしようと決めていました。
結果は…妊娠できていませんでした。
体外受精へステップアップ…
来月から体外受精へステップアップすることになりました。
精神的にも経済的にもきつい体外受精。
特に助成金も出なかったので、金額的には何回もできるものではなく、とても厳しかったです。
それに加えて体への負担が大きく、辛い日々が続きました。
体外受精へステップアップしてから1回目の結果が分かる日…
体外受精は人工授精に比べて、妊娠できる確率が上がるので期待しながらドキドキしていました。
結果は…妊娠できていませんでした。
先生から「残念ながら…」と言われる度に落胆し、病院からの帰り道、泣きながら家に帰る日々を何回繰り返したか分かりません。
私達はその頃すでに40歳を過ぎていましたが、子どもがほしい気持ちが諦めきれず、その後体外受精を3回…。
でも結果はどれもだめでした。
妊娠できませんでした。
これが最後と決めた時も、それでも諦めきれず、もう一回…金銭的余裕もなく、本当にこれが最後にしようと夫婦で話し合ったのがこの3回目の時でした。
「やるべきことはやった。手は尽くした。すごくよくがんばったよ。」
旦那はそう言ってくれました。
諦めるという決断。
年齢的にも精神的にも経済的にも、もう余裕はなく、私達は不妊治療を諦めることにしました。
できることなら諦めたくはなかったです。
自分たちの赤ちゃんを抱っこできる日をずっと夢見てました。
でも、叶いませんでした。
諦めた日、もう涙は出ないというほど泣きました。赤ちゃんが欲しい…その気持ちがきえませんでした。
旦那も辛かったと思います。
でも、私を支えてくれました。
「これから夫婦2人の時間をもっともっと大切にして、おじいちゃんおばあちゃんになっても仲良しな夫婦でいよう。子どもがいなくても、2人一緒にいれるならそれで幸せじゃないか。」
旦那が言ってくれた言葉に、私の中のなにかが吹っ切れて、これから2人の時間を大切にこの人と生きていこうと思いました。
子どもが欲しいという思いは叶わなかったけど、この人と出会い、結婚できたことを神様に感謝しました。
まさかの自然妊娠!?
そして、半年後…
生理が2週間も来ていないことに気付きました。
病院へ行くと、「おめでとうございます。妊娠しています」と言われました。
まさか、妊娠なんてできるはずないと思っていた私は生理が遅れていても気にしていなかったんです。
でも、2週間も生理が来ていなかったので心配で病院へいっただけでした。
妊娠という言葉に、頭が真っ白になり、動揺が隠せませんでした。
だって、人工授精5回、体外受精4回もして妊娠できなかったのに…
驚きと喜びが入り混じって、涙が止まりませんでした。本当に本当に嬉しくて嬉しくて、まさか自分が妊娠できるなんて…
しかも自然妊娠できるなんて…
私達はあの時、諦めたんです。
でも、できるなら諦めたくなかった。
神様が私に奇跡が起こしてくれました。
奇跡って起きるんだ…と心から思いました。
その後、検診のたびに大きくなる赤ちゃんの姿を見て実感が湧いて来ました。
私の赤ちゃんなんだ…と、お腹を撫でる度に今までの不妊治療の辛い日々を思い出し涙しました。
今思えば、不妊治療に通っていた日々が私にとって大きなストレスとなり、そのストレスが抜けたおかげで妊娠できたのかな…とも思います。
どんな理由があったとしても、この子が私たちのところに来てくれたことを旦那と心から感謝しました。
その後、高齢出産でしたが無事に男の子を出産することができました。
健康に生まれて来てくれたことに感謝しました。
今は育児奮闘中です。
大変なこともたくさんありますが、この子が私たちの子どもとして生まれて来てくれたことに感謝して毎日を生きています。