赤ちゃんを授かることは「キセキ」です。
私は20代前半で結婚して、早く赤ちゃんが欲しくて妊活を始めました。
自分自身、兄弟が多く賑やかな家庭で育ったので子どもは3人は欲しいと結婚する前から思っていました。
5人兄弟の長女として生まれた私は、末っ子の弟とは10歳以上年が離れていたこともあり、弟のお世話をしていた記憶が今でもあります。
その頃から世話好きで、中学生の頃から保育士を目指すほど、子どもが大好きでした。
夫も子どもが大好きで、結婚してすぐに赤ちゃんが欲しいと同じ気持ちだったので、妊活を始めてからはお互い「赤ちゃんができたら○○しよう」など、子どもに関する話題が増え、毎月楽しみにわくわくしていました。
でもなかなか妊娠することができず、自分なりに色々と調べ、自分がいかに無知だったかということを知りました。
妊娠するということは本当に「奇跡」なんだとこの時やっと気づくことができたのです。
正直20代前半ということもあり、すぐに妊娠できると勝手に思っていました。
数ヶ月経っても妊娠できない現実に、毎月毎月生理予定日付近になると不安になったり、期待して妊娠検査薬を生理予定日前にしてしまったり…。
今思えば情緒不安定な状態だったと思います。
その後、気付いたら1年以上妊娠できない状態が続いていました。
精神的にも限界を迎え、妊活を始めて2年が経つ前に不妊治療を専門としている病院に行くことに決めました。
この時点ではまだ、不妊治療をしようと決断していたわけではありません。
夫婦で話し合って「どちらかになにか問題があるのかもしれないから一度検査してもらって、そのあとのことはまた考えよう」という段階でした。
予約を取り夫と病院に行きました。
一通りの検査を終え、特に特別な原因はなかったので、まずはタイミング法で様子を見ましょうとのことでした。
先生がおっしゃってくださる流れを聞き、その後タイミング法で不妊治療を開始することになりました。
タイミング法が始まって半年が経過しましたが、まだ妊娠することはできずにいました。
私自身、病院で見てもらっている以上、タイミングはバッチリなはずなのに妊娠できないなんて、なにか原因があるのでは…と不安な気持ちが隠せませんでした。
そんな時、私の妹と友人から突然の「妊娠報告」を受けました。
私は、必死に顔に出さないようにすることが精一杯の状態でした。
おめでたいのに心から「おめでとう」って言えない…そんな自分が惨めで涙が止まりませんでした。
周りには妊活をしていることを言っていなかったので「妹に先越されちゃったね」と、何人もの人に言われて傷ついたのを今でも覚えています。
その後、私の精神状態も悪化し、夫婦で話し合って不妊治療を一度やめよう。という結論に至りました。
私自身、その当時は生活する上で毎日毎日妊娠のことばかり考えて暮らしていました。
朝起きたら基礎体温を測って、不妊治療に通って、タイミングをとって、生理予定日までの間は毎日ネットの情報を読み漁って、生理予定日前に何度もフライングで妊娠検査薬を試して、生理がきた日は落ち込んで…
こんな毎日だったので、この生活を一度リセットすることにしました。
生活をリセットして、結婚してからは専業主婦でしたが外に働きに出ることにしました。
妊活は以前のように切羽詰まったような感じではなく、穏やかな気持ちであまり期待はせず続けていました。
え、まさか妊娠…?
そんな暮らしが半年程続いたある日、毎月生理予定日がずれることはほぼなかった私ですが、2日生理が遅れていました。
「妊娠…?まさか…」
と思いながらも期待がふくらみ隠せませんでした。
どうしても生理予定日まで待てず、その日の仕事の帰り道に妊娠検査薬を買い自宅に帰ってから試してしまいました。
すると、今まで何度目を凝らして見ても、線が出なかったところにうっすら線が…
もう現実とは思えないほど驚いて、自然と涙が溢れました。
旦那が仕事から帰ってきてサプライズで妊娠検査薬を見せると、私が驚き涙した時と同じような反応で、本当に喜んでくれました。
この子が私たちの子としてお腹に宿ってくれたこと。
本当に本当に神様に感謝しました。
妊娠するまで、何度この嬉しさを待ちわびたことでしょう。
本当に信じられないほど喜びに満ちていました。
でも妊娠することができてからは喜びとともに、妊娠する前には分からなかった不安が押し寄せてきました。
不安が的中…。初めての妊娠で初めての流産。
私の不安は悲しくも的中してしまいました。
初めて病院に行った日には無事に胎嚢が確認できて安心し、2週間後には心拍が確認できて一安心していました。
次に2週間後に健診に行きました。
この日に出産予定日が確定し、母子手帳がもらえるという日でした。
内診をすると、エコーには前回見た時より大きくなっている赤ちゃんの姿がありました。
私がホッとしていると先生が「赤ちゃんの心臓が動いていません」と。
私は頭が真っ白になり、先生が何を言っているか分かりませんでした。
現実とは思えなくて、本当に?と疑ってしまうほどでした。
赤ちゃんは前回より大きくなっている状態で心拍が止まっているので、2、3日前に流産したとのことでした。
初期流産は全体の15%と多く、7人に1人は流産しているという説明も受けました。
私は先生とは話もできず、堪え切れない涙が溢れてしまいました。
現実だと分かってしまったのです。
あの時の悲しみは何年経っても忘れることはできません。
診察の2日後、「掻爬手術」というものを受けました。
お腹の中で亡くなってしまった赤ちゃんを異物と身体がみなすと、大量出血して赤ちゃんを外に出す場合もあるそうです。
私の場合は特に痛みも出血もなく、流産していることに気づくことはできませんでした。
流産したあとすぐに気持ちの切り替えをすることはできませんでしたが、私たちの子としてお腹に宿ってくれたこの子を忘れずに、私たちはまた妊活を始めました。
辛い経験から半年後。キセキが起きました!
なんと妊娠することができたのです。
正直、妊娠したときは嬉しさより、また流産してしまうのではないか…と不安のほうが大きかったです。
胎動が分かるようになるまでは、本当に毎日不安で押しつぶされそうでした。
でも、私の不安とは裏腹に、赤ちゃんは私のお腹の中ですくすくと成長してくれていました。
そんな赤ちゃんが愛おしくてたまりませんでした。
私のお腹の中に赤ちゃんがいる。というキセキに不思議と涙が溢れました。
きっと、自分が妊活や不妊治療をせずに自然に授かっていたらこの「キセキ」に気づけなかったと思います。
あの辛い経験をしたからこそ、妊娠できたということと、無事に出産できたということが当たり前じゃないということが身にしみています。
そんな経験をして現在は、2児の母をしています。
2人目を妊娠した時は本当に自然にという形をとりましたが、半年程で妊娠することができました。
個人の意見ですが、妊娠には「ストレス」が大きく関係していると、私自身感じています。
できるだけストレスを減らすことが大切です。
今現在、2人の子供を授かることができて、あの辛い日々を経験して良かった…と心から思えます。
今のこの気持ちを忘れずに、これからも我が子を大切に育てていきたいと思っています。
今我が子に会えるのを待ち望んでいる方、希望を捨てず、「キセキ」を信じて頑張ってください。
心から応援しています。