不妊症であろうとなかろうと、赤ちゃんを待ち望んでいる人にとって、生理予定日に生理が来るかどうかドキドキします。
妊娠というのは、精子と卵子が出会って受精したのち、子宮に着床することを言います。
排卵された卵子と精子が受精して生まれるの「受精卵」です。この受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら、子宮へと移動していきます。受精卵が子宮にたどり着くのは、排卵から約5日後です。その後、受精卵は分裂細胞を繰り返しながら、「胚盤胞」という状態にまで成長して、子宮内膜に根を下ろします。これを「着床」といいます。
しかし、子宮内で着床をしても、特に体の異変はありません。そのため、排卵日から生理が来るまでの期間、赤ちゃん待ちをしている人は、何か自分の身体に何か変化がないかと、色々インターネットで検索してしまいます。人の体の体質は、十人十色、自分と同じ人はいないとわかっているのに、検索してしまうんです。
特に、体外受精をした場合、病院によって違いがあるかもしれませんが、「胚盤胞」を移植した際、移植は翌日、翌々日になります。胚盤胞を移植した日をBT(blastocyst transfer)1とします。Googleでも検索候補に「BT3 妊娠初期症状」や、「BT4・着床・症状」など、検索している人が多いことが分かります。同じ体外受精をしている人で、ブログを書いている人もいますから、その人が、移植後どうなっていったのか?妊娠できたのか?妊娠できているなら、同じ症状はあるのか?
検索をしても、無駄だとはわかっているのですが、検索せずにはいられないのです。
同じような症状があっても、妊娠していないこともありますし、症状がなくても、妊娠していることもあります。いわゆる「妊娠超初期症状」は人によって違うのです。
妊娠しているかもしれないという予測をすることは、生理予定日まで待たなくてはいけないのでしょうか?いいえ、そうではない場合もあります。わかりやすい妊娠超初期症状や、着床したかもというサインはあります。
まず、着床出血の説明をしましょう。受精卵が着床をすると、ほとんどの場合、全く症状としては現れませんが、10人に1~2人位の割合で、「着床出血」が起こります。着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床をした時、絨毛(じゅうもう)が子宮壁を傷つけてしまうことがあります。この時に、軽い出血を伴いますが、これを「着床出血」というのです。ただ、この着床出血は、妊娠する人誰にも起こる症状ではないので、着床出血がなかったから妊娠していないとは言いきれません。
また着床出血がある時期は、生理の予定日1週間から生理予定日とされています。私が着第一子を妊娠した時には、着床出血はありませんでした。
妊娠超初期症状は、いくつかあります。まず「脚の付け根の痛み」です。受精卵が子宮内膜に着床して、妊娠が成立すると、お母さんの身体の中では急激にホルモンの分泌量が変わります。そのホルモンの中に、プロゲステロン(黄体ホルモン)とリラキシンにより脚の付け根に痛みが走るのです。
脚の付け根の痛みに個人差はありますが、一般的にズキズキする、チクチクする、だるさなどがあります。
私が第一子を妊娠した時、胚盤胞を移植した数日後に、ズキズキと痛みを感じ始めました。常に、脚の付け根を押されているような感じでした。いわゆる、これが妊娠の超初期症状なのか?と検索しまくりましたが、検索したところで、何かが変わるわけではないのですが、安心したかったのです。
脚の付け根の痛み以外には、吐き気、だるさ、食欲不振、眠気、おりもの変化、下腹部の違和感、頭痛、下痢、おしっこが近くなるなどがあります。しかし、これらの症状があるからと言って、妊娠検査薬を使っても、正しい判定は出てきません。妊娠検査薬は、生理予定日1週間経ってからでないと、正確な判定はでないのです。
妊娠を待ち望んでいる人にとって、1日でも早く正確な判断が知りたいところですが、ここはぐっと我慢しなければいけません。それでもどうしても待てない人が、妊娠判定薬を使ってしまうことを、不妊業界では、「フライング」といいます。
実は、私もフライングをしてしまった一人です。私がフライングをしてしまったときは、
陽性反応が出ましたが、その陽性反応は、はっきりと濃いものではありませんでした。それでもそのときは、自分の妊娠を100%信用することはできませんでした。
しかし、厄介なことがあります。妊娠超初期症状は、生理前の症状にとても似ているのです。そのため、やはり妊娠したか否かは、生理予定日1週間過ぎるまでは分からないのです。ただ不妊治療をして体外受精や顕微授精を行った人達は、生理予定日がいつかなんてわかりません。なぜなら、排卵誘発剤を使用しているため、本来の生理周期がずれているからです。
体外受精や顕微授精で移植を行った際、判定日というのが設けられます。それはいわゆる妊娠判定というより、着床判定になると思います。着床=妊娠であると説明しましたが、実は、その妊娠は100%の妊娠ではありません。稀に、着床した後に、子宮内に胎嚢、胎芽、心拍を確認出来て、100%の妊娠と言えます。
不妊治療をしている人達は、この着床判定で陽性をもらえるのを待ちに待っています。陽性反応が出て、胎嚢を確認できたら、とうとう不妊治療を卒業することが出来ます。そのため、受精卵を移植してから、1日1日が待ち遠しくて、インターネットで検索してしまうのです。
排卵日を予測してタイミングを取った自然妊娠であろうと、人工授精であろうと、体外受精や顕微授精であろうと、受精卵が子宮に着床してからのプロセスは全く一緒です。排卵日からからの約2週間、不妊治療患者であろうとなかろうと、赤ちゃん待ちをしている人は、自分の身体の変化に敏感になっているはずです。
少しでも自分の身体に何か変化があると、インターネットで検索をしてみたり、同じような症状の人がいないかと、探してしまうのです。「高温期〇〇日目、妊娠超初期症状」「BT3 症状なし 妊娠可能性」「腹痛 生理前と妊娠超初期症状 どう違う?」など、検索するキーワードはさまざまですが、妊娠超初期症状とタイプしただけで、色々なタイトルが出てくるということは、どれだけ多くの人が、検索しているのかが分かります。
赤ちゃん待ちをしている人にとっては、排卵日からの約2週間が、とても長く感じることでしょう。もしできていないのであれば、すぐにでも生理を起こして、次の対策を取りたいとすら考えます。高齢で不妊治療をしていると、1日1日が貴重になってくるのです。着床しやすくなるために、薬も服用しています。もし、着床していなければ、その服用している薬も何の意味もないのです。しかし、こればかりは判定日を待たなければ、分からないため、やきもきしてしまいます。
受精卵が着床せず、妊娠に至らなかった場合、生理が来ます。その際、生理が来るであろうなということは、だいたいの女性ならわかると思います。「あー、今回も妊娠していなかった・・・」とあきらめの気持ちがあると同時に、数パーセントの望みも捨てずに、やはり検索してしまうのです。そして、判定日に陰性の結果を受け、納得。
赤ちゃんを待っている間は、ストレスが貯まりがちですが、自然妊娠であろうと、体外受精であろうと、妊娠するときは妊娠できます。ストレスを貯めて過ごすことは、身体にも良くないので、この期間を大切に、妊娠したらできないことを、楽しむことをおすすめします。