赤ちゃんが欲しいと考え始めてから変えたこと
子どもが欲しいと考え始めてから、私が最初に起こした行動が基礎体温をつけることです。
これまでは日中に仕事をしていたとはいえ、夜型で不規則な生活を送っていました。自分に赤ちゃんを授かれる身体的な能力があるのかさえわからなかったので、基礎体温をつけて自分自身の体の状態を記録してみようと思いました。
基礎体温を測るようになっても毎月グラフは不安定で、排卵日がいつなのかすらわからない状態でした。
これを機に生活習慣を見直したり、食生活を見直したり、軽い運動をして基礎体温を上げるように意識した生活を送るようにしましたが、数年が過ぎてもなかなか赤ちゃんはやってきてはくれませんでした。
卵管造影検査って何?
「赤ちゃんが欲しいけど、なかなか出来ない」と職場の同僚に相談しました。
その同僚は3人の子どもを持つベテラン母さんでした。正直、こんな相談しても一人一人状況も体質も違うからな~と思いながらも、他に出来そうなことはやりつくした感があったので、何かアドバイスが貰えないかと思っていました。
すると同僚は、「卵管造影検査を受けてみたら?」といいました。
「卵管造影検査を受けたら、排卵の詰まりが取れて妊娠しやすくなるらしいよ。でも、すっごく痛いらしいけどね」と教えてくれました。
私は家に帰って、さっそく卵管造影検査のことを調べてみました。
卵管造影検査とは卵管障害の有無を調べる検査で、カテーテル(細い管)を子宮口に挿入した後、造影剤を注入。その後にレントゲン撮影をします。
レントゲン撮影をすると、造影剤によって子宮腔内が白く映るため、子宮奇形や子宮内ポリープなどの異常を発見することができます。また、卵管から排出された造影剤の行方によって、両方の卵管に詰まりがないか、卵管周辺の癒着がないかを調べることができます。
何らかの異常が見つかり、妊娠しにくい原因がつかめれば早期治療によって妊娠する確率も上がります。何の異常もなく軽い詰まりであれば、造影剤が流してくれるため卵管の通りも良くなるそうで、半年(特に最初の3カ月)は同僚が教えてくれた通り妊娠しやすくなるそうです。
費用は保険適応で7000~15000円ほど。造影剤の量や検査を受ける時の状態によっても変わってくるとのこと。
詰まりがあれば痛みもかなりのものになるらしいのですが、詰まりがなければ比較的痛みは少なく、生理痛のような痛みらしいです。
体外受精や人工授精はまだ抵抗があるけど、これくらいなら数時間で終われるしやってみようかなと思い、旦那に相談して検査を受けてみることにしました。
実際に卵管造影検査を受けてみた
近くの産婦人科で卵管造影検査を受け付けていることがわかり、予約をしようとしたのですが、生理が終わってから排卵日までの間しか受けられないとのこと。窓口で卵管造影検査の説明書と同意書の用紙を渡され、生理が終わったら病院に連絡をし、検査の日にちを決めることになりました。
同意書には注意事項や造影検査での副作用の危険性なども記載されていました。ごく稀に起こる副作用の中には、脳梗塞などの命に関わるものもあり、軽い気持ちで受けるものではないんだなと思いました。
また、生理が終わってから検査の日までの性交渉の禁止、妊娠の可能性のある場合は検査ができないそうです。アレルギー体質の方も受けられない旨の記載がありました。
当日は朝食を摂ってはいけなかったので、予約の時間まで空腹を我慢しないといけなかったのはキツかったです。もっと早い時間に予約しておけば良かったと後悔しました。
最初に内診台に上がり、子宮口にバルーンカテーテルを通しました。この段階では痛みはなく余裕だったのですが、カテーテルをぶら下げたままレントゲン室へ移動。落ちてこないか心配で、思わずガニ股になってしまいましたが歩いて移動しました。
レントゲン室に入り、台の上に仰向けになりました。調整が終わると、いよいよ造影剤の注入です。
「痛いよ~!」と医師の声とともに造影剤が注入されると、グッと子宮が内側から一気に押し広げられるような痛みが襲ってきて、思わずのけぞってしまいました。
「我慢、我慢!1回我慢すれば終わりだから」と自分に言い聞かせながら耐え続け、ひたすら深呼吸を意識していました。
そして、「動かないで~!」の掛け声でレントゲン撮影。撮影自体はすぐに終わるのですが、造影剤が子宮からゆっくり卵管を通って出てくるにつれ、激痛から徐々に重い生理痛の痛み(鈍痛)に変わっていきました。
しばらくレントゲン台の上で休み、落ち着いたらカテーテルを外して診察室へ。レントゲン写真をみると、想像していたより小さな子宮の形がハッキリと映っており、その両サイドにある卵管から造影剤が流れている様子が見て取れました。
どうやら詰まりはなかったのですが、「じゃあ、あの痛みはなんだったんだろう。詰まっている人ってもっと激痛なのか…」と思っていると、医師が肩をすくめながら一言いいました。「よくあの検査しようと思ったね。俺なら絶対やらない。」
まあ、男性医師だったのでできるわけもなく冗談だったのでしょうが、その言葉に少し考え込んでしまいました。
「これくらいの痛みがあると想像してくる人っているんだろうか?」
「痛みがあると知っていても、『この痛みを乗り越えたら妊娠する可能性がある』って言われたら、逆にチャンスを逃したくないって思うんじゃないのかな?」
「痛みに耐えてでも赤ちゃん欲しいって思ってるから、辛くても痛くても我慢するんじゃないの?」
産婦人科・不妊外来も行っている病院の医師としては、患者の選択や気持ちに寄り添って欲しかったのですが、個人的な意見だとしても否定するような言葉は心に閉まっておいて欲しかったです。
帰り道は造影検査の余韻と医師の言葉のせいで、悶々とした気分で帰りました。
検査を受けて思ったこと
近年では妊活をスタートしてから1年が過ぎても赤ちゃんを授からなければ「不妊」とのこと。晩婚化・高齢出産が増えてきたので仕方のないことだと思います。
どんなに医療が発達して救える命が増えたとしても、妊娠・出産する女性の体が進化しているわけではないことを考えると、出産は早い方が母体にも胎児にもリスクが少なくて済みます。
たかが1年で不妊と呼ばれ、それに向き合わなくてはいけないことには抵抗があるかもしれません。人工授精や体外受精となると、余計に追い込まれてしまう気もします。
しかし、今回の経験で自分にできることは、意外にもたくさんあることに気づきました。基礎体温もキチンと記録し、ホルモンの状態を知ることは自分自身の体を知ることでもあります。同時に、赤ちゃんが宿ってくれる環境が整っているのかということにも繋がります。生活習慣や食生活の見直し、基礎代謝を上げることで体質は変えることができるのです。
そして卵管造影検査では、子宮周辺の異常や卵管の通り具合を知ることができます。多少の痛みはありますが、日常生活では気づかない子宮周辺の異常の有無を知ることができるので、早期発見・早期治療に繋がることはやっておいたほうが安心できるのではないかと感じました。
私のように、第三者の態度や言葉に傷つくこともあるかもしれません。でもその人にとっては私が赤ちゃんを授かろうと授かれなかろうと関係のないことです。
大切なのは自分と伴侶、家族がどう思っているか、協力してくれる気持ちがある場所を信じて進んでいくことだと思います。
この妊活で「自分自身と向き合うこと」で得たものは多かったし、検査して良かったなと感じています。